夫婦問題を抱える人の多くが、パートナーを敬愛しすぎているか、ボロクソに責めているか、二極化しているように思います。弱すぎるか、強すぎるかですね。「相手は自分の鏡」と言われますが、まず相手を責める前に、自分を省みることも必要です。修復・離婚を問わず、今回の夫婦問題の根本原因を知っておくと、同じことを繰り返しません。
人のこころには鬼が潜んでいるもの
画像は先日の節分の日に、SNSで使用したものですが、鬼は外部にいるのではなくて、自分のこころの中に潜んでいるものです。しかし弱い人間は、原因を外に求めます。人のせい、物のせい、時代のせい。いつまでたっても問題が解決しないのは、心の中の鬼退治ができていないから。相手の非を責める前に、自分を見かえることはとても大切なことだと思います。
人間には百八の煩悩があると言われています。意地悪な心、嘘をつく心、嫉妬する心、執着、慢心・・・様々なこころがあるものです。自分では気がつかず、ついつい相手を責めてしまいます。その度が過ぎると、やはり苦労するのは自分自身です。人生で大切なのは知恵。夫婦問題もしかり。まずは自分自身をみかえるところから始めると、問題解決に繋がることが多いようです。
夫婦問題における煩悩
煩悩には6つの『根本煩悩』というものがあるそうです。そこから枝葉に分かれて百八につながるとか。その根本煩悩について夫婦問題においては、どのようなものか考えてみました。
1:貧 【好きなものに対する激しい要求】
パートナを愛するあまり、要求が高まることはありませんか!?「あれをして欲しい」「これをして欲しい」、本人は正当化していますが、お話しを伺うと「もう少しパートナーのことを考えて差し上げたら?」と思うことも少なくありません。「夕飯の支度があるから18時までに帰宅して欲しい」「休みの日はどこかに連れて行って欲しい」「わたし好みのファッションにして欲しい」などなど。中には「携帯の中をみせて欲しい」とか「行動を逐一報告して欲しい」というものまでエスカレートする場合もあります。リクエストは良いのですが、過度になると相手の自由を奪いかねません。執着は恐ろしいものです。いくら結婚したとしても、相手の自由を奪うことは罪なことではないでしょうか!?
2:眞 【怒り腹をたてる】
正義感が強く真面目な人は、相手にも自分と同じ価値観を押し付けて、できないと怒る人がいます。また、嫉妬した要求が叶わないと怒る人、夫婦間で競い負けた時に、激しく怒る人もいます。これは心の器を拡げる努力が必要でしょう。心の器を拡げるには『まず受け入れる』こと。否定から入るのではなく、相手の状況をまずは受け入れてみる。しかし、それが受け入れ難い程の時には、冷静に相手に伝えること。おだてることまでできるようになると、案外自分が楽になるものです。
3:痴 【真実がわからない】
人間一番不幸なことは「無明」なことだと言われています。無明とは無知。感情に流されて真実を見極められないと、何事も上手く行きません。夫婦問題も一緒です。人は相手を「信じること」がとても難しい時もあります。特に過去に犯した過ちが許せず、全てを信じることができなくなる人も多いようです。信じてもらえないということは、苦しいものです。またこのグループの中には、「やって良い事とだめなことがわかっていない」事が含まれるそうですが、浮気もそのひとつです。淫らな男女関係を繰り返していけば、必ず天から罰が下ると思っています。しかし、パートナーの過ちにでクヨクヨして、塞ぎこみすぎるのも、同じように罪なこと。長年パートナーの異性関係で悩んでいる人に多いのですが、そこは凛とし、自分のやるべき事をやっていけば、問題が解決するものなのです。
4:慢 【他と比較して驕り高ぶる】
結婚した当初はお互いを敬い助け合っていても、人は誰でも良い果を得ると「慢心」になるものです。そうすると知らず知らずのうちに相手と比較して「自分は優れている」とか「自分は凄い」、「私のアイデアは優れているから私のアイデアに従うべきだ」という様な気持ちに陥りがちです。「一番偉いのは私」無意識にその様な気持ちになるから、相手の意見を否定し受け入れないのです。家のリフォームや家具の選択について、ご相談を受けることがあります。そんな時に感じるのは「自分のセンスは優れているが、相手のセンスは受け入れがたい」または「相手のやりたいようにやらせてやっている(自分は偉い)」という気持ちになっている人が多いようです。この問題を解決するには、謙虚な心を身につけることでしょう。常に「自分は間違っていないかな?」「相手は何を望んでいるのかな?」と、考えること。謙虚が身についている人は、必ず幸せになれるものです。
5:疑 【あれこれ疑うこと】
ご相談者の中には「小説家になれるのではないか」と思うほど、疑いのストーリーを描く方がいます。こころに不安の種があるから疑うようになるのは充分にわかるのですが、その種を自分自身で大きく育ててしまい、苦しんでいる姿をみるとお気の毒で仕方がありません。この様な人に多いのですが、私が忙しくて電話にでれなかったり、連絡が遅れると「先生はもう私と話がしたくないからでない」とか「忙しいから連絡をしては悪い」とか、ご自身で勝手に結論をつけてしまうのです。疑い深い人は、チャンスを逃しやすいと思います。貴方のパートナーは、貴方様が思うほどモテません。貴方が疑うほど、人は貴方様のことを悪く言う時間はありません。安心してください。
6:見 【真実を見定める目】
人は言葉に酔い、言葉に溺れる。人を喜ばせるのも言葉、人を悲しませるのも言葉。言葉が『真実』だと思ってしまいます。しかし、「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉があるように、人は心にも無いことを言うことがあります。「ああ言われた」「こう言われた」と嘆くばかりでなく、そんなことを言ってしまう相手の「心内を観察する力」を養うと、楽に生きることができるでしょう。それには知恵が必要です。「知恵あるものに怒りなし」というではないですか。本当の真実とは何かを見極めるために、自分のモノサシを知恵で磨き上がることが懸命でしょう。
強すぎても弱過ぎてもダメ
仏教では幸せになる為には『中道』という教えが有りますが、一理あると思います。夫婦問題で悩む傾向にある方の多くが、強すぎる人、または弱すぎる人、または両方ある人です。
強すぎる人は、自分の言いたい事を沢山言い過ぎてしまいます。感情と言葉が直結しすぎ。それを素直だと思い込んでいますが果たしてそうでしょうか? 女性の皆さんは、外出する時、お化粧をするかと思います。少しでも綺麗に見せたいですものね。こころも同じことをすれば良いのです。自分の感情にファンデーションを塗って、こころのシミやくすみを隠します。次にアイシャドウをするように、心眼を綺麗に飾ります。更にチークと口紅で赤味を出す様に、可愛く仕上げましょう。こころがカサカサの人はグロスで艶出しもしてみるのもGood! この位、こころにメイクをすることは大人の嗜みだと思います。
一方弱すぎる人は、暗く沈みがちになりすぎます。浮気やDVを繰り返される人はその傾向が強いようです。そうゆう人は「凛とした言動」で言うべきことを言いましょう。夫婦はパートナーが弱すぎると物足りなくなり、外に刺激を求める傾向があるようです。最近女性の浮気も多いですがやはり「旦那に物足りない」とおっしゃいますね。
「優しさ」と「強さ」、両方を兼ね備えていけば賢明です。
幸せの道を開くのは自分自身
心の鬼というのは、住み心地がどれほど良いのか(笑)、退治しても退治しても、自分の心にまた住みついてしまいます。一度や二度、こころを見返った位では居なくなりません。日々・・・時間を作って見返る習慣を身につけてみてください。お風呂の中とか、お化粧や整髪時に鏡の前に立った時とか。幸せは人が運んでくれるものではありません。ましてやパートナーに求めるなんて愚かなことです。。相手がどんな人だって、幸せへの道を開くのは自分です。しっかりと、地に足をつけて取組んでみて下さい。