家庭内に問題があると安らぐ場所が失われて、追いつめられてくるものです。こうやってコラムを書きながらも、ご相談者さまのお顔が浮かび、心配な気持ちは拭えません。
夫婦問題を抱えている間は、様々な感情が日常的に顔を出してくるもの。例えば、浮気をされた場合に、最初はショックで悲しみのドン底ですが、その気持ちが、怒りや、心配や、時には希望が見えたり、またあきれたり。多くの方が「こんなに色々な気持ちになるとは思わなかった」とおっしゃいます。
一喜一憂。本当に疲れますね。
私も同じように、日替わりな感情を約5年間も抱えてましたから、悩んでいる方の気持ちが、手に取るようにわかります。
夫婦問題は、同情や一時の気休めで解決できるものではありません。長期戦でしっかりと向かい合う問題です。その時に厄介なのは『怒り』。なぜ怒りは厄介なのでしょうか?
『怒り』や『恨み』で問題は解決できない
最近は、女性のほうが強い方が多いような気がします。様々な場面でご主人さまに対しての『怒りの発言』を耳にします。確かに、お話しを伺うと「それはひどい」と思わざるを得ないこともあります。
しかし、男女問わず『怒り』や『恨み』のパワーには破壊的な要素が含まれていますから、大きな問題に対応する時、まずこの気持ちのコントロールをできるようになるのが先決です。
四六時中怒りを抱えていると、問題の本質を見極めることもできなくなりますし、問題解決のための『正しい判断』もできなくなるものです。それはもったいない。
私は冷静・・・そう思っている人ほど、大きな落とし穴にはまりますからご注意頂きたいのです。
『正義感』が実は問題を大きくする
真面目な方に多いのですが、『正義大将軍』と化し、自分の正しいという物差しで相手を測ろうとしています。生まれも育ちも違う男女が、大人になってから一緒に暮らすのですから、価値観の相違は大きく受け入れないと、パートナーは苦痛です。
人は『楽』を求めます。あまりにもギューギューした環境に身を置かれるとパートナーは精神的に参ります。また、実は他の多くの人たちにも同じようなことをしてしまうのが人間の常。友人たちからも、実は煙たがられたりしています。
夫婦問題の解決は特にそうです。法的なこと、専門的なこと、感情的なこと、複雑な問題が多く絡まっています。特に人間の情というものは、蜘蛛の巣のように、切ってもきれないほど、執着があるもの。
正義を前面に出して「ほらごらんなさい」と、目の前は勝ち誇ったかのように見えますが、実は大切なことを見失っていることもあります。
例えば浮気。浮気は法的にも問題ですし、倫理的にも問題があります。一般常識でもそうですが、浮気をされた方にも問題はあるものです。
そこをみないで、正義だけで進めても、問題は繰り返されます。だから、パートナーが変わっても、同じような不幸が続くこともあります。
問題の底辺に隠れている本質を見出さないと、問題は本当には解決していきません。でも、まず第一には『怒り』を封印しないと、反省すらできませよね。
智慧で怒りを包み込んでしまう!
だからと言って『怒り』の感情を直ぐに無くす事はできないと思います。一体どうしたら良いのでしょうか!?
- 体から怒りモードを癒す
- 自分の気持ちを書いて客観視する
- 智慧で怒りを包み込む
この3つを実践すると、不思議と少しづつ怒りが静まります。
体から怒りモードを癒す
私は前職で整体の仕事をしておりましたが、体と心は直結しているようです。だから、体が変われば、心も変わる。と言っても過言ではありません。
その第一は『呼吸を整える』こと。呼吸が浅くなるとイライラしてきます。脳にも酸素が行きませんから「正しい判断」はできなくなります。これは、恐怖や悲しみを抱えている人も一緒です。深呼吸をして気持ちを抑えることができれば良いのですが、もはや自分でコントロールできない人もいるのでは?
そういう人は、整体やマッサージに行くことをオススメします。まだ軽度の怒りの人は、入浴やストレッチなどで、体をほぐすのもGOOD。頭の疲労は腕にでるそうですから、腕を良く振ったり、頭より高い位置にしてあげるのも良いと思います。
自分の気持ちを書いて客観視する
体が楽になったら『書く』という作業をしてみて下さい。私はメール相談をオススメします。『書く』という作業は、ある程度、心が落ち着いていないとできないものです。『書く』ことができるようになると、問題の半分以上は解決したことになります。最初は一行でもOK。特に客観的に判断をしてくれる専門家は、そこから問題の本質を見極め、解決の方向へ導いてくれます。私でよろしければ、いつでもお手伝いいたします。
先日の冬季オリンピック(2018)の男子フィギュアスケート金メダリストの羽生選手も、過去の自分の気持ちを書いたNOTEで、気持ちをUPさせたり、メンタル面を鍛えたそうです。問題や課題には、メンタルの強化が不可欠です。案外、答えは自分の中にあったりするものですよね。
智慧で怒りを包み込む
ここまできたら、問題解決も後一歩です。智慧には、もの凄い大きなパワーがあります。怒りの負のパワーをも、包み込んでしまう、絶大なポジティブなパワーがあるのです。
「智慧を吸収したい!」というアンテナを張ると、不思議と情報が集まったり、素敵な人に出会ったりします。その素敵な人は、どんな本を読んでいたり、どんなところから情報を得たりしているのかインタビューすると良いと思います。
そして、智慧を得たから終わりではないのです。智慧の活用が最も重要です。間違った使い方をしてしまうと、「両刃(もろは)のつるぎ」になってしまいます。そう言うと、失敗を恐れて行動ができなくなってしまうかな!?
「失敗は成功の母!」と言うではないですか。
失敗をすることで原因を追求し、自分を見返り、改善していく事で、成功へ近づいていくものです。
私も夫婦問題の修復では「失敗の連続」でしたが、『しくじり先生のお手本』として(^_^;) ご相談者さまへアドバイスできています。皆さま爆笑して下さり、光栄です(笑)
『怒り』を与えてくれる人は実は、反面大先生なのです。怒りを克服する位、自分の器を拡げることで、幸せが沢山入ります。
怒りを敵にしないで、味方にすれば、心の器が拡がりますから、受け入れて下さいね。