『夫婦問題』と『お金』
日頃、相談業務を行っていて、重ねる度にその重要さが身に沁みます。
離婚の最終問題は財産分与と慰謝料の分割。する、しないに関わらず、誰もが通らなくてはならない道ですし、通らないと後から大きく後悔する道でもあります。
夫婦問題カウンセラーとファイナンシャルプランナーの二刀流で頑張っている私の元には、「夫婦とお金」「夫婦と資産」のご相談がとても多く頂きます。
離婚する前の、心や法的な問題の専門家にお願いしていても、最終的にはお金の問題になると専門外。特にカウンセラーは法的な部分の解説などできません。国家資格がないと対応できないのです。
自分が夫婦問題で悩んだとき、最終的なお金の問題は弁護士さんも大雑把でした。仕方がない、専門外ですからね。ですから私は、ファインナンシャルプランナーの資格を取得しました。ご相談者さまに寄添うには、必要な資格だったのです。
『離婚』するので、解約したいです iDeCoは分割対象ですか?
相談事例を書かせて頂きました。
基本的には、離婚時の財産分与についての考え方は、以下の様になります。
結婚した後に取得した財産は『夫婦共有財産』として、名義云々に関わらず、共有財産と考えます。その定義は「夫婦が協力して得た財産」ということになるので、ご主人が外で働き、奥様はパートと家事と子育てをしていたとすると、それが「協力」したということになります。
なので基本的には、分割比率は5:5となるケースが多いのですが、各ご家庭毎に、様々な事情があるでしょうから、そこは夫婦の話し合いになってくるかと思います。
財産分与は現金なら比較的簡単ですが、問題は不動産や有価証券です。
一番スマートなのは現金化して分割することですが、そうもいかない場合もあります。どちらかが自宅に住む場合です。また、ローンの残債がある場合もやっかいです。なぜなら、基本住宅ローンは「住んでいる人が払う」のが原則だから。離婚して仮に妻が子供と住む場合、夫名義のローンはどうなるのか?収入が充分でない奥さんへの名義変更は銀行から許可が下りない場合もあるようです。
離婚の決断をする前に、お金や資産のことについては、FPも交えて充分に相談をすることをお勧めします。
なぜなら、FPは将来に必要なお金の試算をすることができるからです。
ところで、iDeCoは財産分与の対象になるのでしょうか?
答えは「なりません!!」
なぜなら、iDeCo(確定拠出年金個人型)は個人年金だからです。口座の名義人しか解約はできません。また、加入期間中は年金額の確定もしていないので、評価が下せません。
私は仕事柄、余りにも揉めているご夫婦をみているからでしょうか、これって逆に良い制度だと感じます。
iDeCoの加入状況をみると、扶養している妻の掛金は『所得控除にならない』という理由で、加入しない人が多いようです。しかし、ご主人名義で掛けているものは、財産分与の対象にならないのですから、「夫婦問題のリスク管理」をするならば、妻名義でもiDeCoを掛けておいた方が、良いと思うのですが、職業病でしょうか!?
下記のコラムでは、離婚後のお金について『ライフプラン』の立て方もアドバイスしております。安易な離婚は、後から大きな後悔をします。自立して行けるだけの力があるのかどうか、、、しっかりとシュミレーションを立ててから、決断をして頂きたいと思います。離婚破綻しないように!!
『離婚するので、解約したいです。iDeCoは分割対象ですか?』
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