3月1日の日本経済新聞の真相深層コーナーにて”根付かぬリスク運用、米英に後れ”と題し『確定拠出年金幻の改革』という記事が掲載されました。この記事を書かれた日経新聞編集委員の田村正之氏の講義を、昨年の8月に受講したので、食い入るように拝見しました。そして『一言』、確定拠出年金のBLOGにコラムを書かせて頂きました。
▼相談ねっとコラム
”確定拠出年金”の改革は幻で終わるのか!?日経の記事に一言。
私はお恥ずかしいのですが、FPの勉強をする以前に『確定拠出年金』の存在を知りませんでした。また、確定拠出年金を専門とするFPになるとは思いもしなかったです。しかし、一度勉強を始めると「こんなに良い制度なのに、なぜ知らなかったのだろう」とか、「皆知っているのかな?」とか、色々想い始めました。やはり、私の周りの人たちは、ご存知なかったようで、未だに「よくわからない~」という人が大半を占めています。
それは、名称や制度の面倒なところもあるのですが、その他にもいくつか問題があるように思います。
■金融機関が積極的ではない!!
理由は、半官半民のこの制度。金融機関にとって、他の金融商品に比べて実入りが少ないようです。「えっ!そんな理由あって良いの?」そう思われますよね。しかし、これが現実です。
■申込作業が複雑
国の制度なので、申込が何しろ「面倒臭い」と評判が悪いのも現実。金融機関によっては、窓口で聞いても答えてくれないところもあると、ご相談者さまから情報も頂いております。
■利益を出すには商品の選択が重要
確定拠出年金は、米英で成功した老後自分年金であります。米英でなぜ成功をしたのかと言いますと、『投資信託』で運用をしたからなのです。しかし、日本では加入対象者の6割弱が「元本保証型」に加入。その結果、運用益はわずか0~1%の人が4割になってしまっているとか。そのせいで、確定拠出年金の評判はあまりよくない。そんな話も耳にします。
また、今回の記事では、その他の問題も浮き彫りになってきました。
■投資教育を受けていない日本人
米英では幼少期から『投資教育』というものが、学校の授業の一環としてあります。しかし、日本ではそのようなものはありませんね。以前、自営業で独立した友人が「なぜ高校で”確定申告”のやり方を教えないのだ」と怒っていたのを想い出しました。彼は大変優秀な進学校へ通っていましたが、その時に勉強した数学は「社会では役に立たない」と言ってました。なので、金融商品に対しては不安感があります。また私の世代はバブルの怖さも知っています。また20~30代の人は、「バブルの怖さを知っている親の影響」があり、投資については消極的です。だから「元本は確保しておきたい」という気持ちが根強いのでしょう。
■金融資産の保有高が世界水準から後れをとる
しかし現実では、この20年間の家計における金融資産の伸び率で世界水中でも大きく後れをとってしまいました。米国は3.3倍。英国は2.2倍。日本は1.5倍。恐らく日本の数字は、大きく増やしている人と、そうでない人の格差が大きいと思います。かなり多くの人は「うちは増えてないよ」といのが現状では。この最大の要因は運用収益の差だといいます。日本人の株や投資信託の保有比率は2016年末で19%。米国が46%英国38%と比べると大差がでています。
確定拠出年金の問題を管轄である厚生労働省はわかっており、改革を進めるために専門委員会の設置。その内容は『デフォルト商品(初期設定)を元本確保型からバランス型へ変更する』というものでした。そして、議論をたたき台に政省令改正を目指しました。しかし、その改革は幻で終わってしまったのです。理由は何か?
■改革に失敗した訳理由①『労使の腰が引けた』
確定拠出年金のデフォルト(初期設定)商品は、労使の相談により決まりますが二の足を踏んだとか。それは、運用益で損を出したら非難を浴びかねないという理由です。そして「様々なルートで反対した」とのこと。様々なルートが気になります。
■改革に失敗した訳理由②『金融機関の抵抗』
自社の元本確保型の商品を残したい金融機関の抵抗もあったようです。大きな力が働いたのですね。
確定拠出年金で運用益を出す方法は3つ
●長期投資
●分散投資(国際)
●積立(確定拠出年金はそもそも積立)
それには投資信託が一番適しています!!
株価が低くなれば、積立投資なら量を買うことができます(1万円の積み立てなら1000円の商品なら10口、それが500円になれば20口)。なので、株価変動リスクも吸収しやすいのですが、投資教育を受けていない日本人にはわからないのでしょう。
きっと、反対した人たちは、投資信託で大きな利益を得ていると思います。税制優遇の大きな『確定拠出年金』。しかし、いまひとつ不安な方は、確定拠出年金について、個人相談を行っております。運用機関の選択など、なかなか迷うことも多いと思います。どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
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